「王家の紋章」50巻の後半で古代ナパタイ人が登場しました。
キャロルが誘拐された場所
50巻では例のごとくですが、主人公の少女キャロルがヒッタイト人に誘拐されて、ハットゥシャに連れていかれる途中でナパタイ人の襲撃にあってしまい、今度はナパタイ人に誘拐されるというお話です。
誘拐されてばかりのキャロル( ;∀;)
キャロルが襲われたのはエドムの岩山。
「21世紀ではヨルダンだわっ! ペトラ遺跡への岩山の道」とキャロルがいってるので、襲撃された場所はペトラ遺跡の入り口シークだろうと思われます。
ナパタイ人とはナバテア人のことでしょう。
ナバテア人が歴史に登場するのは紀元前4世紀ごろ。
この地には紀元前1200年ころからエドム人が暮らしていたということらしいです。
紀元前1世紀ころにエドム人を追い出して、ナバテア人の国となりました。
なので、キャロルのいる時代はナパタイ人ではなくエドム人かもしれません。
王家の紋章は歴史漫画ではないので、内容が史実とかけ離れていても問題はありませんし、むしろ細川先生の自由さが魅力でもあります。
とはいえ、わたしの習慣として新しい登場人物や場所が現れると一応ネットで歴史的なことを調べます。
260㎢の面積に850以上の建造物が点在。
ペトラはナバテア王国の首都です。
イエメンやインドから運ばれた交易品をガザやアレクサンドリアを経由して地中海に送りました。
ローマ帝国とローマに品物を送る国々を結ぶ重要な場所だったおかげで莫大な利益を得ることができました。
とても豊かな都市だったらしく、番組内で「砂漠のラスベガス」と表現されいました。
画像の手前が都市の入り口シークです。
狭い谷で、一番狭いところで幅が3メートル。
長さは1200メートルあります。
おそらくキャロルたちが襲撃された場所でしょう。
岩山を削って造られたエル・カズネ。(エル・ハズネ)
高さは40メートル、12階建てのビルに匹敵する高さ。
ペトラを訪れたすべての人がエル・カズネの前にたどり着くように、あえてこの場所に造られたらしいです。
ナバテア王国の衰退の要因は?
①西暦106年 ローマの支配下に入る
②西暦363年の最大の地震
ペトラはアフリカプレートとアラビアプレートがせめぎ合う境界線上に築かれました。
③西暦400年 水害
ペトラは10月から1月は突然の豪雨と鉄砲水が発生します。
シークは濁流の通り道となって町全体に流れ込みます。
それでも、人々の暮らしは続いていたようです。
住民がいなくなったのは7世紀になってから。
シリアのパルミラが交易の中心都市になったためということでした。
そういえば、月間プリンセス9月号から王家の紋章が休載だそうで、いろいろ心配してます。
今のわたしの関心事はコミック50巻の最初のシーン、キルケーの「これでそなたとわたしはつながったえ」というセリフ。
メンフィスとキルケーがどうなるのか。
まさか結ばれることはないと思うけど・・・。
キルケーはいつ再登場するのだろうか。